「太陽光発電って、結局おトクなの?」
家を建てるとき、私が一番モヤモヤしていたのがこれでした。ネットで調べても、業者のサイトは「絶対おトク」と書いてあるし、まとめ記事は「損する」と書いてある。どっちが本当なのか、最後まで分かりませんでした。
結局、我が家は7.2kWの太陽光発電を載せました。設置から約2年。SHARP製のモニターには、毎日の発電量も、売った電気も、買った電気も、すべて記録されています。
この記事では、その2年分の実データを包み隠さず公開します。「おトクですよ」と背中を押す記事ではありません。良かったところも、正直キツいところも、実際の数字で全部書きます。これから太陽光を検討している方の、現実的な判断材料になればと思います。
※本記事の費用相場や売電制度は2026年5月時点で調べた情報です。太陽光関連の制度や価格は変動するため、実際に検討する際は必ず各公式サイトや複数社の見積もりでご確認ください。
この記事でわかること
- 我が家(7.2kW)の2年分のリアルな発電量・自給率
- 売電収入が実際いくらか(思ったより少ない話)
- 毎月の収支は実はマイナスだという正直な現実
- それでも私が後悔していない理由
- 太陽光のデメリットと、検討前に知っておきたい注意点
我が家の太陽光発電スペック
まず、我が家がどんな設備を載せているかを書いておきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| パネル容量 | 7.282kW(SHARP製) |
| 設置時期 | 2024年2月設置・同年8月に送電開始 |
| FIT買取単価 | 16円/kWh(10年間) |
| 支払い方法 | 20年ローン・月々約23,700円 |
設置費用は、正直なところ「いくらでした」と一言で言えるものではありません。太陽光発電の価格は、依頼する会社・パネルのメーカー・設置する時期・屋根の形状によって大きく変わるからです。
目安として、2026年時点で調べた相場を載せておきます。経済産業省の基準では設置費用は1kWあたりおよそ29万円前後とされており、一般的な住宅で多い4〜6kWのシステムなら、総額でおよそ115万〜196万円ほどが目安と言われています。ただし2023年以降は資材価格の高騰などで価格はやや上昇傾向にあります。実際の費用は必ず複数社の見積もりで比較してください。
実際の発電量を全公開
ここからが本題です。我が家のモニターに記録されている、実際の発電実績を公開します。
| 年 | 発電量 | 消費量 | 自給率 |
|---|---|---|---|
| 2024年 | 6,642kWh | 5,244kWh | 126% |
| 2025年 | 7,652kWh | 7,535kWh | 101% |
| 2026年(1〜5月) | 2,970kWh | 3,330kWh | 89%(集計途中) |
※2024年は8月の送電開始から年末までの実績です。2026年は年の途中で、これから夏に向けて発電量が伸びます。
自給率というのは、家で使った電気のうち、どれだけを太陽光でまかなえたかという割合です。100%を超えていれば「使った以上に発電できている」ことになります。我が家は2024年・2025年とも100%を超えており、設備としてはしっかり働いてくれています。
自給率が126%→101%に下がった理由
表をよく見ると、ひとつ気になる点があるはずです。発電量は2024年より2025年のほうが増えているのに、自給率は126%から101%に下がっています。
パネルが劣化したのか? と心配になるかもしれませんが、違います。理由は消費量を見れば分かります。我が家の年間消費量は、2024年の5,244kWhから2025年は7,535kWhへと、大きく増えています。
原因はシンプルで、子どもが生まれて家で電気を使う量が増えたからです。エアコンを付けっぱなしにする時間が長くなり、洗濯や乾燥の回数も増え、家にいる時間そのものが増えました。発電は順調でも、暮らしが変われば消費は増える。これは設置前にはあまり想像していなかったリアルな部分でした。
これから太陽光を検討する方は、「今の電気使用量」だけでなく「数年後に家族が増えたらどうなるか」も少し考えておくと、より現実的な見通しが立てられると思います。
売電収入のリアル
太陽光と言えば「電気を売ってお金が入る」というイメージがあると思います。これも正直に書きます。
我が家の売電収入は、月平均でおよそ3,000円ほどです。電力会社から毎月振り込まれます。
「思ったより少ない」と感じる方が多いのではないでしょうか。私も最初はそう思いました。ただ、これには理由があります。我が家のFIT買取単価は16円/kWh。一方、電力会社から電気を買うと、その単価はもっと高いです。つまり、発電した電気は「安く売る」よりも「自分の家で使う(高い電気を買わずに済ませる)」ほうがおトクなのです。
だから太陽光の本当のメリットは、売電収入そのものよりも、「電気代の支払いが大きく減ること」にあります。我が家も、発電している日中は電力会社から電気をほとんど買わずに済んでいます。
毎月の収支は、実はマイナスです
ここが、この記事で一番正直に書きたい部分です。
太陽光の「発電によるメリット」を金額にすると、我が家の場合は月およそ18,000円ほどです(電気代の節約分+売電収入の合計イメージ)。一方、太陽光ローンの支払いは月およそ23,700円。
| 項目 | 月額(目安) |
|---|---|
| 発電によるメリット | +約18,000円 |
| 太陽光ローンの支払い | −約23,700円 |
| 差し引き | 約−5,600円(持ち出し) |
つまり、ローンを返済している今の期間は、毎月およそ5,600円の持ち出しになっています。「太陽光を載せれば毎月プラス」と思っていると、ここは現実とのギャップを感じる部分だと思います。私は正直に書くと決めているので、ここははっきり書いておきます。
それでも私が後悔していない理由
毎月マイナスなのに後悔していないのか? と思われるかもしれません。でも、私は後悔していません。理由は「ローンが終わったあと」にあります。
太陽光ローンは20年で完済します。完済すれば、毎月の23,700円の支払いはなくなります。一方で、パネルはその後も発電を続けます。つまり、ローンを払い終えたあとは「発電によるメリットがそのまま家計のプラスになる」のです。
持ち出しがあるのはローン期間中だけ。長い目で見れば、後半は電気代を抑えてくれる資産になる——そう考えているので、今のマイナスは「先に払っている」感覚で受け止めています。住宅と同じで、ローン中は負担、完済後は資産。そういう性質のものだと理解しておくのが大事だと思います。
自治体の補助金は必ず確認を
太陽光を設置するとき、ぜひ確認してほしいのが自治体の補助金です。
多くの市区町村では、住宅用の太陽光発電を設置した家庭に対して補助金を出しています。私の場合も、お住まいの自治体に申請したところ、補助金を受け取ることができました(我が家の場合は約3万円でした)。
補助金の有無・金額・申請条件・受付期間は、自治体によってまったく異なります。また、予算がなくなり次第終了することも多いです。設置を考え始めたら、早めに「お住まいの市区町村名+太陽光 補助金」で調べて、公式情報を確認することをおすすめします。申請しなければ1円ももらえませんが、申請すれば数万円が戻ってくることもある。やらない手はありません。
太陽光発電のデメリットと注意点
良いことばかりではありません。検討前に知っておいてほしい注意点を書きます。
1. ローン期間中は持ち出しになることがある
前述のとおり、我が家はローン返済中の今、毎月およそ5,600円の持ち出しです。設置容量・費用・ローン条件によって変わりますが、「載せた瞬間から黒字」とは限らないことは知っておくべきです。
2. 売電価格(FIT)には期間がある
FITによる買取は期間が決まっています(我が家は10年間)。その期間が終わると、売電単価は下がります。また、2025年10月以降に新しく申請する住宅用太陽光は、これまでと異なる新しい売電価格の制度が適用されます。今から検討する方は、最新の制度を公式情報で必ず確認してください。
3. メンテナンス・部品交換の費用がかかる
太陽光発電にはパワーコンディショナーという機器があり、これは一定年数で交換が必要になると言われています。パネル本体より先に寿命が来ることが多く、交換には費用がかかります。長期的な費用として頭に入れておきたい点です。
4. 発電量は天候・季節・立地に左右される
当然ですが、曇りや雨の日、冬場は発電量が落ちます。屋根の向きや周囲の建物の影によっても変わります。「カタログ通りに発電するとは限らない」という前提で考えておくと安心です。
よくある質問
Q. 太陽光発電は結局、得ですか?損ですか?
A. 我が家の実感では「ローン期間中は持ち出し、完済後はプラスに転換する」というのが正直なところです。短期で得をするものではなく、長期で見て電気代を抑える資産、という捉え方が現実的だと思います。
Q. 売電収入だけで元は取れますか?
A. 売電収入は月数千円程度で、それだけで元を取るのは難しいです。太陽光の本当のメリットは「電気を買う量が減ること」にあります。
Q. 設置費用はいくらが目安ですか?
A. 会社・メーカー・時期・屋根の形で大きく変わります。2026年時点では1kWあたり29万円前後が一つの目安とされていますが、必ず複数社の見積もりを取って比較してください。
Q. 補助金はどこで調べればいいですか?
A. お住まいの市区町村の公式サイトで確認できます。「市区町村名+太陽光 補助金」で検索するのが早いです。予算上限があることが多いので、早めの確認をおすすめします。
まとめ
- 我が家(7.2kW)は2024年・2025年とも自給率100%超。設備はしっかり発電している
- 子どもが生まれて消費量が増え、自給率は126%→101%に。暮らしの変化で消費は増える
- 売電収入は月約3,000円。太陽光の本当の価値は「電気代が減ること」にある
- ローン期間中は月約5,600円の持ち出し。完済後にプラスへ転換する
- 自治体の補助金は必ず確認を(我が家は約3万円受け取れた)
- FIT期間・パワコン交換・天候の影響など、デメリットも理解した上で検討を
太陽光発電は、「すぐ儲かる」ものではありません。でも、長い目で見れば家計を支えてくれる設備になり得ます。大事なのは、業者の「おトクですよ」だけを鵜呑みにせず、持ち出し期間も含めた現実の数字で判断することです。この記事の実データが、あなたの判断の参考になればうれしいです。
家計やお金の話は、ほかの記事でも書いています。あわせて読んでもらえると、我が家のお金の考え方が見えてくると思います。

